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導入事例

創作和食レストラン Sudachi

創作和食レストラン Sudachi
岡元 信氏

創作和食レストラン Sudachi
オーナーシェフ 岡元 信氏

高校卒業後に料理の世界に入り、日本料理「鴨川」を皮切りに日本料理「明石」、紀尾井町「福田家」などで修業を重ねる。2004年にオーナシェフとして東京・西麻布に「ラ・ボンバンス」をオープン。2014年、姉妹店として「Sudachi」を開店。
創作和食レストラン Sudachi Webサイト http://sudachi.tokyo/

ネットワークカメラでホスピタリティを向上させるという
新発想で、お客様に「よりスマートなサービス」を提供。

セキュリティのための監視システム。それがネットワークカメラに対する一般的な認識だろう。実際、それを目的として導入を検討する企業や店舗は多い。その一方で、サービスの質と顧客満足度の向上を主目的としてネットワークカメラを利用しようという機運が高まっている。
東京青山の創作和食レストラン「Sudachi」(すだち)もまた、ホスピタリティ向上を目的としてアロバビューを導入。単なる店舗運営の効率化にとどまらない、大きな効果を生んでいるという。オーナーシェフの岡元信(まこと)氏にお話を伺った。

従来の料理提供タイミングへの疑問と不満

——導入のきっかけについて教えてください。

岡元氏当店では、お料理はすべてコースで提供しています。したがって、お客様ごとに、次の料理をお出しするタイミングを図ることがとても重要です。カウンター席のお客様に関しては、食べるスピードや表情、ドリンクの減り具合などを容易に把握できます。が、個室のように区切られたり仕切られたりしている場所では、そうはいきません。従来、料亭などではサービス係が経験的な感覚のもとに、扉を開けたり、料理を運んだりしていました。でもそれは、必ずしも確かなスピード感ではないと、ずっと思っていたんです。それぞれのお客様に、理想的なタイミングで次の料理を作ったり、お出ししたり、ドリンクをサービスできれば、より心地いい空間を提供できます。それを実現するツールとして、ネットワークカメラが使えるのではないかと考えたのです。

セキュリティの押さえ役にも

——アロバビューは、どのように運用されているのでしょうか。

岡元氏設置されているカメラは個室の天井に1台ずつ、計4台。それらの映像は、バックヤードにあるノートPCのアロバビューで確認できます。映像を確認して活用するのは主にサービス係ですが、料理担当者も手が空いたときは確認しています。このように、スタッフ間で個室のお食事の進み具合まで共有できるのは便利ですね。カメラの映像は一応、ストレージ(ハードディスク)に録画もしていますが、あくまで不審者の侵入や店内でトラブルがあった場合に備えてのもので、見返す必要に迫られたことは、今まで一度もありません。セキュリティについては警備会社と契約していますので、そちらをメインに考えています。ただ万が一、何かあった場合には、アロバビューの映像も資料のひとつになると思います。そういった意味では、セキュリティの押さえ役にもなってくれていますね。

バックヤードで運用するPC

4台のカメラの映像をひと目でチェックできる

カメラは性能より、お店の内装に馴染むものを

——導入時の機種選定にあたって、どのような点を重視しましたか?

岡元氏カメラは性能より、お店の内装に馴染むものを選びました。というのも、ネットワークカメラは、まだいわゆる監視カメラとしてデザインされているものが多いんです。本体色が白だったり、威圧的なデザインだったり。でも、こちらはできるだけカメラの存在を意識させたくない。別に隠し撮りをするわけではありませんが、カメラが目立ってしまうと、お客様はあまり良い気分はしないと思うからです。もちろん、マイクも設置していないので、音声も聞こえません。私たちにとっては、お客様のお食事の流れを把握することさえできれば、お客様の顔が鮮明に見えるとか、会話が聞こえるといったことは、本来、一切不要なのです。なまじそれらの情報が収集できてしまうと、お店の信用に関わる可能性も出てくる。その点については、明確な目的と意識を持って導入する必要があると思います。

天井の色に合わせて選定されたカメラ

天井の色に合わせて選定されたカメラ

カメラとアロバビューは、スタッフみたいなもの

——アロバビューを使って、どのような効果やメリットを感じましたか?

岡元氏狙い通り、個室のお客様にもよりご満足いただけるサービスを提供できていると思います。せっかくのご歓談を不必要にさえぎることなく、料理やドリンクをベストなタイミングで提供できますし、お客様のお帰りに合わせてお会計の準備もできます。何かご用がありそうなときも、お呼びいただく前に対応できる。お客様にストレスを感じさせない、スマートなサービスが可能になりました。これは本当に便利です。お店側にも大きなメリットがあります。それは、個室のお客様にスタッフが張り付かなくても済むこと。若いスタッフには、お店で働く上で勉強してほしいことが山ほどあります。でも、これまでのようにサービス係として個室のお客様に張り付いてしまうと、厨房やフロアでいろいろなことを学ぶ大切な時間がどうしても減ってしまう。それは、すごくもったいないと思うんです。でも、アロバビューがあれば、彼らも現場で技術や知識を学びつつ、お客様にもより良質なサービスを提供できます。カメラとアロバビューは、もうスタッフみたいなものですね。お店を経営されている方は、絶対に導入するべきだと思います。

モバイルでも店内映像を確認

——モバイル機能も利用されているそうですね。

岡元氏はい、タブレットを使って、モバイルでも店内映像を確認できるようにしています。混雑具合など、店内の様子をどこにいても把握できるのは便利ですね。特に私のようなオーナーシェフは、どうしても多忙になりがちです。そんな中で、常にお店の状況を把握しつつ行動範囲を広げてくれます。また、不在時に店内でトラブルが起こった場合でも、外出先から動画が見られれば冷静なジャッジができて、スタッフに的確な対処を指示できるでしょう。お店ではお酒を提供しますから、色々なケースを想定しておく必要はあります。モバイル機能が与えてくれるメリットは想像以上に大きいですね。

モバイル回線によるパケット通信量を抑えたい

——アロバビューに改善を希望する点などはありますか?

岡元氏モバイル機能利用時、動画は容量が大きいので、(キャリアの)モバイルプランの制限容量を超えてしまうこともがあります。かといって、再生コマ数を落とすと、肝心のお客様の動きがわからなくなってしまう。これは回線の問題で仕方がないのかもしれませんが、もし、アロバビュー側で何か対策ができれば、ありがたいです。

——現在、カメラの新技術として映像の圧縮を効率化する技術をアロバビューでも検証しています。また、可能な限りWi-Fi回線をお使いいただくことで、使用するパケット容量を抑えることができます。

「ホスピタリティ向上のためのカメラ活用」が理解される世の中へ

——最後に、今後のシステム拡張計画などがあれば教えてください。

岡元氏将来的には、他のグループ店にもカメラとアロバビューを導入したいと考えています。各店舗のアロバビューからすべてのお店の映像を確認できれば、お客様の入り具合に合わせて、リアルタイムにスタッフを調整することも可能でしょう。たとえば、A店が忙しくなってきたから、近くのB店からフロア係1名をヘルプに回す、といった感じですね。ひとつの端末で複数店舗の様子を把握できるので、モバイル機能もより有効活用できるでしょう。『レストランがホスピタリティ向上のためにカメラを活用すること』が理解される世の中になっていけば、私たちが提供するサービスは、また次のステップへ進めます。そのためにも、まず私たちがお客様のプライバシーをしっかりと守りつつ、信用を積み重ねていくことが大切と考えています。

システム構成イメージ

システム構成イメージ

導入機材

アロバビューレコーダー

●アロバビューレコーダー

アロバビューレコーダーは、「箱から取り出す」「電源を入れる」「監視カメラをつなぐ」だけで、自動で監視カメラを登録します。 面倒な登録や設定はもう必要ありません。すぐに運用が開始できます。

(2015年6月作成)